香港のビンテージカメラショップCamera Guardianはカメラを売るのでは無く文化と人生を語る為の場所
香港の英字新聞、サウスチャイナ・モーニング・ポスト (South China Morning Post、南華早報) がビンテージカメラショップ Hon Kong camera guardianのオーナである David Chan氏のドキュメンタリ動画をYouTubeチャンネルに公開しています。
- オーナーのDavid Chan氏は1960年代にカメラビジネスを開始したが、今ではカメラコレクターにもなり、店頭には販売出来ないカメラも多数展示している。
- 元々カメラは複雑な構造をしている高級品であり、ビンテージレンズの中には放射線を発しているエレメントも使われていた。
- これらのレンズはとてもシャープな写りでこのようなエレメント無しではその良さが失われてしまう。
- 現代のレンズはこのようなビンテージレンズの個性的な描写をするものは無い。
- 特にシャドー部の表現はビンテージレンズの方がクリアでディテールも再現され現在のとは別ものと言える。
- デジタルカメラ時代となり便利になったが、嗜好は失われてしまった。
- ウィンドウの中に陳列しているカメラは金額に変えられるものではない。
- お店に来てたお客さんと、私の知識を元に説明し会話を交わすためにあるのだ。
- 手にしたカメラの良さだけで無く、別のカメラのどこが良いのかも説明し、決してあるカメラの購入を勧めることは無い、他のカメラも沢山紹介する。
- 写真は芸術だが、私は良い写真家では無い。しかし愛すべきカメラの動きは芸術である。
- カメラを持つだけで私は幸せになる、更にシャッターを押してその音を聴き入ると更に幸せになれる。
- 私はヨーロッパのカメラが好きである。Zeiss、Voigtlander、そしてLeicaだ。
- ベトナム戦争で使われたNikon Fは銃弾を跳ね返しフォトグラファーの命を守った。被弾したにもかかわらずそれは今でも動作している。これは世界中の宝となる日本のカメラである。
- 最近のデジタルカメラは1、2年で消滅するが、機械式のカメラは長い期間作られていた。
- 私は70代でもうすぐ80歳にもなるが、私の子供はビンテージカメラが嫌いのようだ。
- 私のコレクションを簡単に売ってしまうと、後世の人にビンテージカメラがいかに美しいかを伝えることが出来なくなる。
- 金銭的な問題ない、ここでやっていることが幸せなのだ。
- 中にはただ外でウィンドウのカメラを眺めている人もいるが、私は彼らを店内に導きカメラを実際に触わらせる。
- 私は、商売として店を開いているのでは無い。ここは私の友人と顧客との交流とおしゃべりする場所なのだ。そして人生を楽しむ場でもある。
- かつて私は深夜までかなりハードに働いていた。しかし今はここで友人とお客様に会うことを望んでいる。
- 質問があれば私の経験を共有する。されが今やりたいことなのだ。
このカメラショップは香港返還前から経営されていたと思いますが、アジアの中でもヨーロッパに近い環境の中でカメラ文化を育んでいた場所だと思います。
だからこそ60年の間のカメラ文化がぎっしり詰めこまれたショップと、カメラの歴史を語れる店主さまがいらっしゃるということですね。
そして日本で言えば昭和を感じる場所で営業されているようですが、もうすぐ別の場所に移転するということも話されていました。
オーナーの方は80歳近いということですがとてもお元気なようでまた別の場所でこの素晴らしいカメラショップを続けられると思います。
ただ、香港も急激に開発されている場所だと思いますので、このような貴重な場所を継続して行くのも難しいと思いますので敬意を表するしかありません。
もし香港に行く機会があればカメラ好きとしては訪問した方が良いところだと思います。
それにしても、香港のカメラ好きのお客様の方は日本に負けず劣らず(というか日本よりも)熱い方が多いようですね。
日本でも未だこのような場所はあると思いますが、私の記憶では個人経営だったり小規模の味があるカメラショップが最近閉店されたという話をよく目にしますのでちょっと寂しいですね。
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