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銀塩カメラ・フィルム

ILFORD製200cmx60cmの巨大ポジ印画紙に“生き写し”する「IMAGOphotour」

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ドイツのアーティストのSusanna Krausさんが、等身大の写真を撮影することが出来るカメラによる写真プロジェクト「IMAGOphotour」がKickstarterで支援を募集されています。

ドイツのアーティストSusanna Krausさんは、可動式で世界最大のセルフポートレートカメラ「IMAGO1:1」の存在を広めるプロジェクトをKikstarterで立ち上げました。

Via : “生き写し”が出来る世界最大の“モバイル”カメラ「IMAGOphotour」 | [246]ログ

プロジェクトを説明するプロモーション動画はこちら


 

この巨大なカメラは1970年にドイツで製作された「IMAGO 1:1」カメラが基になっています。

実は、Susanna Krausさんはこのカメラ開発者の娘さんであり使用出来なくなっていた「IMAGO 1:1」カメラを復活させ、更に今回、“モバイル”可能な「IMAGOphotour」カメラとしてリメークすることで、世界中で「IMAGO 1:1」による写真を撮影する為に活動を続けようとしているのです。

 

この素晴らしい、等身大の写真を撮影出来る「IMAGO 1:1」は1970年代ドイツ生まれ、当時のケルンのフォトキナショーなどで話題になったということです。
カメラの仕組みとしては、特殊な工学系によって、フラッシュで焚かれた光を通常のカメラのようにフィルムに感光させず、鏡によって200cm×60cmの巨大印画紙に直接焼き込むという方式なのです。

ポジフィルムもスライドフィルムも介することなく、ダイレクトに印画紙に撮影する「IMAGO 1:1」はその瞬間をたった一枚で、等身大として“生き写し”出来る唯一のカメラということですね。

Agfaから専用の印画紙が発売されるまで至ったそうですが、その後撮影のオーダー数はそれほど多く増えなかった(ミュンヘンで稼働していたのみ)ことから1980年に印画紙がディスコンになり、「IMAGO 1:1」カメラでの撮影は終焉を迎え忘れられていたのです。

 

しかし、24年が経過した2004年、Susanna Krausさんは実家で70年代の「IMAGO 1:1」で撮影した写真を発見、子供の頃のお父様とこのカメラの思い出が蘇りました。

そしてすぐにこの思い出の「IMAGO 1:1」カメラを探したところミュンヘンに実在することが判りました。

Susanna Krausさんはすぐにこのカメラを復活させたいと思い、米国、中国、フランスやドイツの会社に問い合わせてみましたがいずれもコストが掛かり過ぎるということで「IMAGO 1:1」に必要なポジティブ印画紙を供給してくれるる会社はありませんでした。

2004年といえば既に写真のデジタル化ワークフローも成立しつつあり、銀塩フィルムや印画紙の時代も終焉の傾向もありアナログ写真の先行きも不安だったということもあるということです。

それでもSusannaさんは諦めず活動を続けていいたところ、ILFORDの現像処理技術者Jean-Noel Gex氏と運命的に出会いが実現しました。

数ヶ月後Jean-Noel Gex氏はとうとう特殊なポジ印画紙の製造方法を探し出し、更に古いドイツ製の製造機を使ってコート紙 “Kraus silver gelatine reversal paper”を製造出来るメーカーを見つけたのです。

その結果、「IMAGO 1:1」は35年の時を経てついに奇跡的に復活したのです。

2006年ウィーンの“写真月間”イベントで「IMAGO 1:1」復活を宣言し話題になりましたが、それでも「IMAGO 1:1」に対する受難は続きます。

Susannaさんだけに販売するだけでは、特殊な印画紙に使う薬品に対するコストは収支的に見合わない価格になっており「IMAGO 1:1」の継続は困難になっていたのです。

しかし、2008年再び奇跡が起こります。
ケルンでのフォトキナで展示されていた「IMAGO 1:1」を見たILFORD社のトップDai Jones氏が感銘を受け、Susannaさんにこの技術の継続を約束してくれたのです。

その結果、ILFORDブランドを所有している英国のHarman社から “Harman Direct Positive Paper”として製造され世界に向けて販売されることが決定しました。

2010年にはこのモノクロポジ印画紙は、アーティスト、趣味、教育用、としての利用が拡大し、ビジネス的にも成り立つようになったということです。

そして、やっと安定した撮影が出来るようになった「IMAGO 1:1」は2009年にベルリンの専用撮影所に設置され、多くの著名人の方々をカメラで撮影しました。

更に2011年、ベルリン内で別の場所に移動すると共に、レンズなどのメインテナンスも含めてリフレッシュされ、ついに一般の方も簡単利用出来る設備として継続稼働出来るに至ったということです。

Susannaさんはこの「IMAGOphotour」によって、更に世界中の人々に対して“生き写し”写真を撮影することをKickstarterで訴えているということですね。

「IMAGOphotour」のスペックは

■カメラ部
大きさ:7x4x3 メートル
質量: 700 kg
ボディ素材:アルミニューム、鉄板、グラスファイバー、キャンバス

■印画紙
ILFORD製ダイレクトポジティブペーパー
サイズ:60x200cm 標準モノクロ現像処理

Via : “生き写し”が出来る世界最大の“モバイル”カメラ「IMAGOphotour」 | [246]ログ

ということで、オリジナルの「IMAGO 1:1」が1.5トンもの重量があったのに対して約半分の重量となり、トラックやコンテナ船による移動も可能になったということです。

このカメラを見事復活させたSusannaさんとその協力者の方々、そして、銀塩ポジ印画紙も継続させたHARMAN/ILFORD社に拍手!!

私も、このKickstarterプロジェクト”IMAGOphotour: World’s biggest mobile Self-Portrait Camera“に寄付しようかと思っています。
とりあえず25ユーロを寄付すると“HARMAN DIRECT POSITIVE FB paper”によるプリントが1枚送られくるそうです。

250ユーロ寄付すると、実際に「IMAGO 1:1」によって等身大のポートレートを撮影出来る権利を獲得出来るそうですので、ドイツに行かれる方は記念に寄付されてみるのも良いかもしれませんね!!

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