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キヤノン EOS M戦略についてインタビュー(デジカメWatch)

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キヤノンの開発陣に聞くEOS Mの戦略とは・・・・

お話を伺ったのは、キヤノン株式会社 イメージコミュニケーション事業本部 ICP第二事業部 部長の戸倉剛氏(EOS Mの商品企画を担当)、同ICP第二開発センター 室長の菊池裕氏(メカ設計およびEOS M設計のとりまとめを担当)、総合デザインセンター 専任主任の鳴島英樹氏(グラフィカルユーザーインターフェースを担当)、総合デザインセンター 専任主任の川島昭作氏(外観のデザインを担当)、同ICP第一事業部 課長代理の中村裕氏(EF-Mレンズの商品企画を担当)。

Via : インタビュー:キヤノンに訊く「EOS M」の戦略 – デジカメWatch

■EOS M企画の背景

  • EOSファミリーの1機種と位置づけ
  • 撮影領域をいかに広げるか
  • 一眼レフカメラのハードルの1つとが“大きさ”
  • 常に持ち歩けることから撮影領域がさらに広がると考えた
  • EOS MでEOSワールドへの導入の役割を持たせる

■EOS Mのターゲットユーザー

  • カメラ女子といわれているお客様
  • カメラや写真に目覚め始めた、20~30代の女性層
  • EOSユーザーのサブカメラとしても期待

■ライバルのカメラ

  • エントリー向けのレンズ交換式デジタルカメラ全般
  • どちらかといえば大型センサーを積んでいる機種

■他社製品に対するアドバンテージ

  • 高画質、画質はトップクラスで今までのEOSと遜色ない
  • センサーの性能、レンズ性能や画像処理エンジンなどトータルで高画質を実現
  • どんなシーンにおいてもいい絵が撮れる
  • 撮像面での位相差AF
  • マウントアダプターでEFレンズが使えること

■ミラーレスカメラ市場

  • 2012年のレンズ交換式カメラのボリュームは世界で2,000万台
  • ミラーレスカメラが400万台と予想
  • 国内ミラーレスカメラのシェアは40%台
  • 地域によっては10%そこそこ
  • 地域差が大きいのでもう少し注視していく

■EOS Kissシリーズ

  • シェアは非公開
  • EOS Kissシリーズがレンズ交換式デジタルカメラの世界市場を牽引し続けている
  • Kissのシェアはかなりのボリュームがある

■PowerShot G1 X

  • セールスは非常に好調、月産約3万台の予定通りに推移、
  • 地域によってはバックオーダー
  • 特に売れているのは日本、台湾、香港といったアジア圏
  • あくまでも、PowerShot Gシリーズの最上位機というコンセプト
  • オールインワンタイプでいい画が撮れるというカメラ
  • 利便性も高く機動性にも富んでいる
  • より多くの焦点距離で撮影できる撮影の広がりはEOS M
  • 小型化に対しては4:3のセンサーの方が有利

■EOSシリーズでの位置づけ

  • EOS Kissのユーザー層
    • より写真に興味を強く持っている方
    • より撮影領域が広いのは光学ファインダー
    • 動いている被写体を含めていろいろなものが撮れる
    • EOS Kissも小型化の限界に全然限界には来て無い
  • EOS Mのユーザー層
    • “趣味を撮る”という方
    • どちらかといえばスナップ撮影だとか、少し限られた範囲
    • EOS Kissを将来的にEOS Mのシリーズで置き換える考えは無い

■EOS Mの目標

  • 国内市場で月平均で15%のシェアを目標
  • Kissと同じ価格であったとしても、お客様は異なるモチベーションで買われる
  • Kissの顧客がEOS Mに流れないとは言い切れないが、選択肢を増やした分、合わせるとよりボリュームは増えると考える

■EOS M開発について

  • 開発期間については秘密だが、企画のもととしては長い間存在
  • 小型軽量さと、高画質を併せ持つカメラを実現できたのがやっとこの時期(9月)
  • EOS MはKissから単にミラーやOVFを取っただけではなく、それ以上の設計を施している
  • 小型化のためにシャッターも新開発
  • CMOSセンサーのパッケージはEOS Kiss X6iよりも小型に
  • マウントを変えるというのはかなり勇気のいることで模索
  • 開発陣にはコンパクトデジタルカメラのメンバーも加わっている
  • コンパクトデジタルカメラの良いところをうまく活用
  • 少ないハードキー、タッチパネルもコンパクトデジタルカメラのデザインを活用
  • センサー(1,800万画素)は持てる財産の中で、このカメラに最も適した画素数として選択
  • EFレンズの機能を100%活用、高画質、EOSファミリーとしての役割であれば、APS-Cセンサー以外に選択肢は無い
  • 3:2であることもEOSとして重要

■画作り

  • EOS Kiss X6iと同等の画を狙って設計
  • 「DIGIC 5」で、EOS Mのために何か手を加えているわけでは無い
  • RAWも14bit記録が可能
  • DPPの「デジタルレンズオプティマイザ」に対応

■撮像面位相差AF

  • 一眼レフカメラの位相差AFと構成が異なる
  • 撮像面位相差AFでは最初にレンズを前後どちらのピント方向に動かせば良いのかを判断
  • 最終的な合焦の追い込みはコントラストAFでピークを探す。ピントの精度が高まるが時間がかかる
  • ミラーのある位相差AFに比べると感覚的にずれが生じるかも
  • マウントアダプターで時間が掛かるのも同様の理由
  • 動く被写体に対してはEOS Kissのほうが優位

■手ブレ補正

  • 各レンズに合わせた形でISを搭載するのが適切と判断

■動画撮影機能

  • X6iと同じだがレンズを含めたシステムとして進化

■レリーズタイムラグ

  • X6iの約0.075秒から約0.05秒に短くなっているのはミラーが無いから

■ EF-Mマウント・EF-Sレンズ

  • APS-Cサイズのイメージサークルを満足しながら小型軽量を実現
  • レンズの着脱の操作感もEFマウントと同じになるように設計
  • 35mmフルサイズセンサーなどには対応できない
  • 大口径レンズを作ることは技術的には可能
  • EF-Mマウントの規格を開示する予定は無い
  • 18-55の標準ズームレンズ
    • 王道の標準ズームレンズ
    • 非球面レンズを3枚使用し「EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS II」とほぼ同等の画質
  • 22mmF2の単焦点
    • スナップ写真、室内で小物を撮影、人物撮影で背景をボカしたりで換算35mm相当がちょうど良いという判断
    • ガラスモールドの非球面レンズを使い、画面周辺部まで画質にこだわり
    • 最短で15cm、円形絞りも採用し上級者の方でも満足してもらえる性能
  • マウントアダプターで多くのEFレンズが使えるがユーザーの声も真摯に伺って今後検討を進める

■ マウントアダプター

  • EFレンズと組み合わせても違和感の無いデザイン
  • 三脚座が着脱式
  • EFレンズの手ブレ補正の性能が落ちることは無い
  • 性能を維持しつつコストを抑えることに苦労
  • “FDレンズ”が使えるマウントアダプターを出す予定は無い

■ デザイン

  • ただ小さくすれば良いと考えてはいない
  • モチーフは“EOSをどんどん凝縮していったらどうなるか?”といった考え方でデザイン
  • EOSのアイデンティティや遺伝子をいかに凝縮して継承できるかを大切に
  • 「PowerShotとEOSの間でなかなか欲しいカメラが無いというお客様の声
  • キーワードは「プレミアムコンパクト」と「インテリジェントタッチ
  • EOSの高画質を如何に造形的に表現する一番ポイントはレリーズ周りの形状
  • 手の大きさにかかわらず、人差し指を添えたときに最適な位置や角度になるように何度も試作
  • 液晶モニターの中心をほぼレンズ光軸の中心と合わせてある
  • 三脚ネジ穴とアクセサリーシューも光軸に揃えて配置
  • コンパクトデジタルカメラやスマートフォンを使っているお客様が自然に入って来る
  • 使っていくうちにEOSの世界に引き込まれていくユーザーインターフェースに
  • 前後の外装ともアルミ合金
  • 耐久性や耐環境性能といった部分もクリアするのに苦労
  • ブラックはEOSの上位機種と同じビーズ材を混ぜた塗装で耐久性も同等
  • マウントに繋がるシャーシはマグネシウム製
  • ストラップの取り付け方法はキヤノンでは初めての方式

■グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)

  1. エントリーユーザーへの配慮、かつEOSの継承性
    • デザインは、一眼レフとコンパクトカメラそれぞれの担当者による混成チームで作っていった
    • タッチパネルなので、IXYやPowerShotで実績のあったユーザーインターフェースを進化
    • EOSの継承性という部分は「クイック設定画面」
    • 他のEOSを使っているユーザーもほとんど学習無しで使うことができる
  2. “キーおよびダイヤル”か“タッチパネル”でほぼすべての操作が可能に
    • タッチパネルのメリットとして動画撮影時の静音性
    • ハードキーのみの機種ではクリック音や振動から来るブレが記録されてしまう問題
  3. 一眼レフカメラならではの“両手操作”にもチャレンジ
    • 一眼レフカメラのように両手でホールディングするのが基本
    • 両手でより素早い設定ができるようにしている
    • 慣れてくるとまるでゲーム機を使うように設定を変えることができるようになる
    • 親指を使うのがコツ

■ 内蔵EVF

  • EVF内蔵も検討はしたが小型化のために断念
  • 内蔵ストロボの搭載も見送り
  • 今後はお客様の声を聞きながら商品化は色々と検討したい

■EOS Mの生産地はどこでしょうか?

  • 本体は大分キヤノンで生産
  • EF-Mレンズは台湾で生産

■EOS Mの今後の方向性

  • 撮影領域をカバーするのに適しているのは光学ファインダーのEOS
  • EOS Mは、小型で高画質に特化したEOSの新エントリーライン
  • EOS MはEOSファミリーのエントリーとしての役割を果たすことが大きな目的

ということで、随分長いインタビュー記事でしたが、それだけにキヤノンが熱心にEOS Mで伝えたいことが全て書かれているようですね。

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One thought on “キヤノン EOS M戦略についてインタビュー(デジカメWatch)

  • 2012年8月12日 at 10:38 PM
    Permalink

    impress watch 様(いつもお世話になります)のインタビュー記事は、いつ読んでも秀逸だと思いますね。上記の要約のように、ポイントを突いているところは流石だな、と思います。

    今後の新製品についても、インタビューアーの方がかなりの部分(解)を引き出しているなと思います。とても参考になりました。この記事のおかげで、これからの新製品の大体の方向がつかめたと思います。impress watch様には、この場をお借りして御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。

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